凛が天津影久を殺さないとならないと思った理由とは
百琳姉さんが身籠ったということもそうだけど、この【無限の住人】のコンセプトの一つに、「親と子」というものがあると思う。
天津影久が浅野家を恨み殺した理由も、祖父の恨みがあったし、凛の敵討ちもそうだ。恨みを子がつなぐ。
練造も父の正体を知らぬまま、父を殺した万次と凛を恨んで生きている。
正直、最期、凛があのような形で天津影久を殺すとは思わなかった。これは映画の感想を書き直さなければならないなと思っている。
凛は天津を殺すのか、許すのか考えに、考え抜いた末に決断したのだということがとても深く伝わったし、彼女がどれだけ意思が強く、思いやりのある子なのかということを再認識しました。
天津の最期の言葉もとても重たい。
「失念…していた……とはな 己が野心を未来に……子孫に託す その愚かさを …………罪深さを」
凛が百琳さんに語った、あの男の子から「子」という言葉が出たときに生かしておいてはならないと思ったという話には、あぁ、結局凛は自身の「敵討ち」について、ある一種の後悔や罪悪感はあるのではと感じました。
「私もあの男も 様々なものに踏みにじられ…………踏みにじってきました だからこそ それを次の世代に持ち越すことだけは 絶対にやってはいけない事 復讐だの 敵討ちだの 剣の再興だの どんなに浮かれていても それだけは守らなければならないと思ったから」
それに対する百琳さんの返しがとても素敵だった。
「親の恨みつらみを引きずるのは困りモンだけど 親の「想い」ってのはさ 受け継がれる時はどうしたって受け継がれちまうモンなんじゃないのかねえ」
凛の想いは子へと受け継がれたのか
最終回はなんと90年後の廃刀令の6年後。万次と八百比丘尼は変わらない姿で生きていた。
そして、万次の右手は、天津影久の右腕がついていた。
天津影久との約束と言って良いのかはわからないが、結局万次は見届けるのだなと思った。
凛の子孫であろう女の子が万次の右手を握った時、あぁ、想いは受け継がれているのだと、そう思わずには居られなかった。
瞳阿が凛に送った、「別れても再び出会う」という意味の模様を彫った短刀と、卍さんの人相書きが、再び万次さんのもとに90年を経て届いたという事実に、凛がどのようにしてあの後生きたのか、考えれば考えるだけなんとも言えない思いになる。
凛は万次のことを兄や父のようだと言っていたけれど、結局は一人の男と女として愛されたかったんだろうなぁと思うんだ。
凛がどんな男と添い遂げたのかはわからないけれど、あれだけ律儀な子なんだから、彼女が孫へ語るときにどういう言葉を選んだのかと思うと、本当にすごい子だと思う。
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器のでかい女になりたい
少し話はそれますが、私の妹がこの夏に母になる予定です。命をつなぎ、子をつくり、想いをつなぐということを目にすると、今の私には何があるんだろうとよく考えます。ただ、そこに、全てを受け入れられる寛容さを持ちたいといつも思います。
そういうのって、こういう、物語を読むたびに、私ならどうするのかっていう想像を積み重ねていくことで培ったものが多少はあると思うんです。
妹が駆け落ちしようと、父が失踪しようと、心乱さず、どんと構えておける器のでかい女になりたい。
実写映画【無限の住人】の凛役の杉咲花さんの演技はとてもよかったので、おすすめです!
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- 【そらの書き物】の管理人。週刊少年ジャンプを愛読書に、会社員魂を燃やして働いていたけれど、退職して独立し上京。現在は法人化を目指してコツコツやってます。
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